
「古畑拓三郎」から「古畑任三郎 vs SMAP」へ。木村拓哉のモノマネ、三谷幸喜脚本、2013年の脱獄するSMAPの“その後”まで振り返ります解説イラスト
「古畑拓三郎」は、ただのパロディではありませんでした
『古畑任三郎』とSMAPの縁をたどっていくと、単なるゲスト出演や番宣コラボでは終わらない、かなり特別な流れが見えてきます。入口になるのは、1996年に『SMAP×SMAP』内で放送されたパロディコント「古畑拓三郎」です。そこから1999年のスペシャルドラマ『古畑任三郎 vs SMAP』へつながり、さらに2013年には『SMAP GO!GO!』内で“その後”が生ドラマ化されました。こうして見ると、木村拓哉の古畑モノマネはただのネタではなく、本家シリーズとSMAPが長く交差してきた歴史の一部だったとわかります。
「古畑拓三郎」は、1996年9月30日に放送された『SMAP×SMAP 超スマスマ 秋の稲妻スペシャル!』内のコントです。ファンサイトの詳細データでは、これが“古畑任三郎”パロディとして作られ、しかも三谷幸喜さんが特別に脚本を書きおろした企画だったと整理されています。木村拓哉さんが古畑任三郎をもじった「古畑拓三郎」を演じ、草彅剛さんは今泉慎太郎のパロディ役「草泉慎太郎」として出演しました。つまりこれは、単にスマスマで人気ドラマをいじっただけではなく、本家の脚本家まで乗ってきた本気のパロディだったのです。
木村拓哉さんこと古畑拓三郎は背景と別レイヤーです。単体の表示可能です。手のひらを上にしてこの表情のものは、この世に写真がありません。オリジナルになります。
この企画がいまでも語られる理由は、木村拓哉さんの再現度の高さにあります。田村正和さんの話し方、あの独特の間、少し首をかしげるような仕草、そして物腰の柔らかさと嫌味っぽさの同居した雰囲気まで、かなりうまく捉えていたと言われます。その後の『SMAP×SMAP』でも木村拓哉の古畑任三郎のマネのコントは繰り広げられ、木村さんの“古畑っぽさ”は当時から広く知られていたことがわかります。
古畑任三郎のリメイクの話が出る度に、候補の俳優として木村拓哉さんの名前が出るのはそのためです。
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木村拓哉は、田村正和本人の前でもモノマネをしていました
木村拓哉さんの田村正和モノマネが面白いのは、単に番組内で似せていたからだけではありません。木村さん本人が、田村正和さんの前でモノマネを披露した思い出を語っています。1997年4月ごろ、フジの特番で、田村正和さんが同じく三谷脚本の『総理と呼ばないで』の番宣でフジに来ていた際に、木村さんが目の前で古畑モノマネを披露したという話もあります。こうした証言を見ると、木村さんのモノマネは後づけの都市伝説ではなく、かなり本人公認に近い形で知られていたものだったと考えられます。
この“田村正和を似せられる木村拓哉”という前提があったからこそ、「古畑拓三郎」は成立したのでしょう。SMAPのエースが、当時すでに完成度の高いモノマネを持っていて、そこに三谷幸喜さんが脚本で乗る。だからSMAP×SMAP内のコントなのに、いまでも古畑ファンの記憶に残っているのです。
そして1999年、本物の『古畑任三郎 vs SMAP』が実現しました
1999年1月3日には、パロディではなく正式なスペシャルドラマ『古畑任三郎 vs SMAP』が放送されました。フジテレビの第3シリーズ紹介ページでも、「3年ぶりの登場となった今年1月3日放送の『古畑任三郎 VS SMAP』」と説明されており、シリーズ本編と地続きの大型スペシャルとして扱われていたことがわかります。ここで重要なのは、SMAPが別役ではなく、“SMAP本人役”として登場したことです。人気アイドルグループが実名のまま犯人側に立つという設定は、当時としてもかなり大胆でした。ただし、メンバーは同じ孤児院出身など、少々本人らと設定は変わっておりました。また、有名な彼らの女性マネージャーは戸田恵子さんが演じられました。
ここで木村拓哉さんは、単独犯人役としてではなく、SMAPの一員として出演しています。木村さんには古畑シリーズの中で、単独で強い印象を残す回もありますが、『古畑任三郎 vs SMAP』に限って言えば、“SMAPの木村拓哉”として仲間たちと一緒に事件に関わる形です。だからこそ、この作品は木村個人のゲスト回ではなく、SMAPというグループ全体を犯人側に置いた異色の回として特別視されています。
『vs SMAP』は、古畑ファン向けの小ネタも濃い作品でした/2度目の出演は木村拓哉だけではない
このスペシャルが面白いのは、SMAPの話題性だけではありません。過去の古畑シリーズ出演者が、別役で顔を出している点もファンにはたまらないところです。たとえば、野仲功(野仲イサオ)さんは風間杜夫さん回「間違えられた男」でタクシー運転手として登場していましたが、『vs SMAP』では別役で松阪監督こと舞台監督役で出演しています。野仲功さんは市川染五郎さん回の「若旦那の犯罪」、市川正親さん回の「絶対音感殺人事件」と計4回ほど出演されています。宇梶剛士さんも桃井かおりさん回「さよなら、DJ」でスタッフ役を演じたあと、『vs SMAP』に別役で現れます(SMAPに殺害される役です)。シリーズものらしい“気づく人は気づく”遊びが入っているわけです。これによって『vs SMAP』は、SMAPファンだけでなく、古畑シリーズを見続けてきた人にも楽しめるスペシャルになっていました。
さらに、戸田恵子さんがSMAPの女性マネージャー役として出演していたことも、この作品の印象を強くしています。戸田さん本人のブログでも、1998年末に『古畑任三郎 vs SMAP SP』を撮影し、SMAPのマネージャー役として参加していたことが語られています。田村正和さんと再会できたことや、撮影が年末ぎりぎりまで続いたことも書かれていて、当時の現場の熱量が伝わります。
2度の出演は、中森明菜さんの回と、山城新伍さんの回で被害者を演じられました池田成志さんも同じくです。三谷脚本にはよく見られる梶原善さんは鹿賀丈史さんの回の車掌、菅原文太さんの回のホテルのオーナー役で出てきます。第三シリーズの八嶋智人さんはもう役がコロコロ変わりますので割愛。
『眠狂四郎 The Final』では、主演の田村正和さんを八嶋智人さんがナイスサポートしておられました。『眠狂四郎 The Final』には、津川雅彦さんも出演されております。
2013年には『その後…』が生ドラマで作られました
この流れが本当に特別なのは、1999年で終わらなかったことです。2013年9月30日、フジテレビ開局55周年特別番組『SMAP GO!GO!』の中で、『古畑任三郎 VS SMAP』の“その後”が生ドラマとして放送されました。シネマトゥデイ、MANTANWEB、シネマカフェはいずれも、14年ぶりに『古畑任三郎 VS SMAP』が生放送ドラマで復活し、三谷幸喜さんが新たに脚本を書き、演出も担当したと報じています。
MANTANWEBの記事によると、この2013年版では、前作から14年後、受刑者となったSMAPの5人が脱獄計画を立てるという設定でした。しかもSMAPにとっては、5人そろって出演する初の生放送ドラマだったとされています。つまり、これは懐かしネタの焼き直しではなく、フジテレビ開局55周年の大きな企画の中で、本当に新しい「その後」を生でやるという、かなり攻めた試みだったのです。
スタジオの中に巨大セットが作られ、囚人のベッドルーム、そこの床には掘られた地下道、そして地下道の先には地上への穴(つまりは外のセット)、これらがスタジオ内に作られ、生放送でドラマが撮影されました。ひとつのつながった巨大なセットだったわけです。引きの絵には三谷幸喜自身の姿も映っています。地下道もちゃんと作られ、もちろんカメラも入っています。
ここでも戸田恵子さんは、前作と同じくSMAPのマネージャー役で出演しました。外につながった穴へと戸田恵子が迎えにきますが、結局はSMAPは。。。。。。
これはMANTANWEBでも報じられていて、1999年版とのつながりを保つ大きなポイントになっていました。生ドラマという緊張感の中で、前作の関係者が再びそろう。この時点で、もう普通のコントでもパロディでもなく、一種のテレビ史的イベントになっていたと言っていいでしょう。
「古畑拓三郎」から見ると、SMAPと古畑の縁は一本でつながっています
こうして流れを追うと、1996年の「古畑拓三郎」、1999年の『古畑任三郎 vs SMAP』、そして2013年の『その後…』は、ばらばらのネタではありません。木村拓哉さんが古畑を真似るところから始まり、SMAP本人たちが本家ドラマの犯人側になり、最後はその後日談まで生放送でやるという、かなり珍しい発展のしかたをしています。ここに三谷幸喜がずっと関わっているのも大きいです。パロディを本家につなげ、本家をさらに後日談へと伸ばしていったのです。
そして、木村拓哉さんのモノマネが面白かったという話も、この流れの中で見るとただの余談ではなくなります。木村さんが田村正和さんのニュアンスを掴めていたから、最初のコントが成立した。そこからSMAPと古畑の縁が深くなり、最終的には“本人役で事件を起こし、14年後には脱獄未遂まで描かれる”ところまで行ったわけです。古畑シリーズの中でも、SMAP関連のラインはやはりかなり特別です。
まとめ
「古畑拓三郎」は、1996年の『SMAP×SMAP』内で生まれたパロディコントですが、三谷幸喜が脚本を書き下ろし、木村拓哉が田村正和をかなり高い精度で真似たことで、いまでも語られる企画になりました。そこから1999年の正式スペシャル『古畑任三郎 vs SMAP』へつながり、SMAPは本人役のまま古畑と対決します。そして2013年には、フジテレビ開局55周年企画として、その“その後”が生ドラマ化されました。

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